「俺は、男だ!クソ野郎」
第10章 …こんなの俺らしくない
「な、なんで…俺の部屋にいんの」
やっと出てきた言葉がそれだった。
なんで、今
一緒のベッドの上にいるのか不思議でたまらない。
今日、来るとは母さんから聞いていたけど
何で勝手に部屋に入ってきてる?
「おばさんに起こしてもいいと許可をもらった」
「母さんが…?でも何しにここに…」
母さんのやつ~っ、勝手に!!
「岬に会いたかったから」
「俺は会いたくない」
淳兄から顔を逸らして、窓の方を向く。
「それで用があってきたんだ」
「別に俺にはないけど」
「俺にはあるんだ」
…なんつー、しつこさ。
俺はバレないように
こっそり、ポケットから携帯を取りだす。
とりあえず、画面は見ないで
指で操作いく。
慣れた手付きで俺は電話のアプリを開き、
“篠崎 大悟”と書かれてあるのをタッチした。
「え?」
すると、俺の携帯が宙に浮いたと思ったら
取り上げられたことに気づいた。
「はいこれ没収」
すると、
すぐに通話をキャンセルされた。
えっ。
助けを呼ぼうとしたけど
ダメだったみたいだ。
ニヤリと悪魔の顔をした淳兄が
俺の顔を覗く。
「岬は全く悪い子だね」