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涙話 -Beeindruckt sein-

第1章 仮面夫婦生活


ー…


血液型を調べるため血液検査をした。


「えっと…佐藤の赤ちゃんはO型ですね」

「そうですか、ありがとうございます」


看護師さんは部屋を出ていった。


「良かった…」


佐藤さんの旦那はAB型、俺と妻はOなので俺達の娘だった。


「…あなたの娘で良かった…!!!本当に…良かった…!」


妻は俺以上に喜んでいた。



それからというもの俺たちは冷めた夫婦生活を送っていった。

会話は必要最低限、
俺は性欲も出ず夜の方は皆無、
妻とは仮として関わることが多くなった。

俺は自分でこうしようと決めたのに虚しさは募っていった。


それから、あっという間に月日は経ち
長男は国立大学に進学し、娘は高校卒業目前だった。


俺は決断に迫られていた。

娘が卒業した後に離婚をしても影響はそこまで与えないのではないかと。

もちろん、子供たちや妻の生活費などは払うつもりでいたが、
こんな不毛な結婚生活は続けたくなかった。


きちんとした結論が出せずに娘は卒業し、国立大学へ進学した。

しかし、自宅通学のため俺たち夫婦は皮一枚繋がっているようなものだった。


そんなある日娘は深刻そうな様子で
話しかけてきた。


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