涙話 -Beeindruckt sein-
第1章 仮面夫婦生活
そして、
「あの、お時間あれば食事にでも行きませんか??
もっとあなたとお話ししたいんです」
「え?あ、あの…」
女性は目をさまよわせた。
そこで俺は気づいた。
もしかしてデートの誘いをしているようなものなのか!?
歯切れの悪い彼女を見て恥ずかしくなってしまったことを覚えている。
聞いてしまったことなので、後戻りできない!
「ダメですかね…??」
「あ、いえ…大丈夫です」
あ、良かったー…とほっとしてしまいました。
後に妻にこの時のことを聞くと、
「男の人に誘われたりするの初めてだったから、恥ずかしかった」
と照れていた。
女性との食事はとても楽しかった。
しゃべる方ではなかったのだが、
俺の話をよく聞き笑顔をも見せてくれた。
とても魅力的な笑顔で俺は彼女に恋をしてしまった。
「良かったら…またお食事に行きませんか??」
「あ…えっと…ハイ」
別れ際に彼女と次の約束もして、
交流を深めていった。
俺は毎日が楽しくてしょうがなかったよ。