
4年分の愛を君へ
第3章 学園祭
「なー、お前さスミレ先輩と話したんだって?」
焼きそばをものすごい早さで食べるリュウヘイが箸をおいて俺の方を見た。
「チカから聞いたのか。」
目も合わせずに呟く俺にリュウヘイは無表情のまま話続ける。
「他のクラスの奴らも噂してるぞ。
お前とスミレ先輩がラブラブそうに話してたって。」
「別にそんなんじゃねーよ。
ただ久しぶりって感じで話しただけだよ。」
あの場には他のクラスの奴らもたくさんいたから噂されるのは予想できていた。
「皆言ってるよ、1年半ぶりに再会した学校公認のカップルって。」
「バカかお前ら。まだそんな事言ってんのかよ。俺はいいけどスミレ先輩に迷惑だろ。」
俺は勢いよく焼きそばを口に放り込むと何も考えずにただただ噛んでいた。
またあいつらはスミレ先輩に変なあだ名をつけるのか。
先輩はそんな事では怒らないほど優しいけどまた迷惑かけちまうな…。
