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君がいたから-優輝ver.-

第6章 好き?嫌い?

シャワーを浴びて、しっかり着替えを済ませてから自室に戻って準備をしていると、妹が勝手に部屋に入ってきた。

「なんだよ、勝手に入ってきて。」
「どこ行くの?」
「ゲーセン」
「不良だー」
「うるせえよ。」
「なんかお土産ね!」
「不良にそんなこと普通は頼まないよ」
「じゃあユートーセー!」
「優等生のところだけ棒読みにしてんじゃねえっつの」
「えー?」

はあ、疲れる。

「あ、お兄ちゃん。あのさ」
「何?」
「その服よりクール系のがいいんじゃない?」
「へ?」
「この間もシンプル系だったじゃん」
「あー、言われてみたら。」

たしかに、いつも同じジャンルじゃ面白みがないか。
よし、着替えよう。

「着替えるから出てけ」
「はいはいー。あ、出かけたらお兄ちゃんの部屋借りるね!」
「はぁ?なんで」
「エアコン!」
「あっそ、好きにしたら?」

エアコンがエアコンとしてしっかり仕事をしているのは二階のだと俺の部屋だけだ。
妹のはなぜかつかないのだ。
つまり、壊れてしまっているのだ。

「それじゃあ、いってらっしゃーい」

ニタニタと笑う妹にシッシッと手で払ってからクール系の洋服でまとめてみる。

夏に黒っぽいのはいささか奇妙な気がしたので、間をとってグレーでクール系にしてみた。

うん、さすが俺。なんでも洋服もってる。
通販っていいね、うん。


「じゃ、出かけてくるわ。」
「はーい。」

妹の部屋の前で出かけることを告げてから財布やスマホを持ったことを再度確かめて外に出た。

外に出ると、すでにあかねが待っていた。

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