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honey-仕事と恋と・・・

第2章 第1章*マイナス

今日は日曜日。企画書も昨日一晩でまとめあげ、今日は久しぶりのオフの日。
私は大学時代からの友人たちとランチの待ち合わせをしていた。
お店に行くと既に他の3人は揃っていた。
美容師をしている黒髮が特徴のクール美人の麻波,つい先日結婚したばかりののんびり朱莉,ネイリストをしている侑梨。
同じサークルに入ったことがきっかけで何かと気が合うこの3人とは大学卒業後もこうしてしばしば会っていわゆるガールズトークをしている。

侑梨「で,今日は何,啓太くんと別れたの?」
朱莉「そんなことないよ,侑梨!もう6年だよ⁉︎そんなこと言っちゃだめでしょ!」

いきなりの侑梨の発言に何も言い返せず黙り込んでしまう。

麻波「え,まさか図星なの,心?」

私は黙って頷いた。
もちろん,みんな呆気にとられてきょとんとしている。
思わずみんなの顔に笑っちゃった。

侑梨「何で急にってか6年目にもなって⁉︎まさか啓太くんの浮気⁉︎」
朱莉「侑梨‼︎ ちょっとうるさい!」
少し興奮した朱莉の声に周りのお客さんが訝しげな顔をしてこっちを見ていた。

侑梨「ごめんごめん。で,何で?」

私はとりあえず流れを説明した後,啓太から送られてきたメールを見せた。

麻波「はー、なるほどねー。啓太くんらしいっちゃらしいじゃん。心のことを思っての決断,ね。」
「でもそれなら最後にキスなんてしないでほしかった...」
私はそう言いながら涙目になっているのを隠した。

朱莉「心はそれでいいの?啓太くんと一緒に行かなくて」

私は少し考えて答えた。
「確かに,最初別れてって言われた時は泣きたいくらい悲しかったけど,事情を知ってからは,よく分からなくなっちゃったの。
啓太のことは好きだけど,5年も海外に行くとなると,悩むんだ。私も今の仕事を手放したくないし...」

そう答えた。啓太のことはもちろんまだ好き。でも仕事を辞めたくはない。
二択の選択肢の間で決めきることができずに悩んでいた。

麻波「仕事を辞めたくないのならそれでいいんじゃない?遠距離で耐えられるのならそう話せばいいだけだし。遠距離に耐えられそうにないのならこのまま別れたままでいいと思うよ。」
朱莉「私はそんなあっさりした男は思い切りこっちから振って次いっちゃうけどなー。」

朱莉「心次第なのかなー,やっぱり。」



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