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夕雲の中学生恋愛日記

第5章 お祭り

「あれ、そういえばどこだろここ。」

「ちょっ!ちゃんと帰れるの?」

「わっかんない。まぁ、小さい頃やったじゃん、探険ごっこ。その内わかる場所に着くから。」

「昔と今じゃ状況違うじゃん。」

困ったようにははっと笑った。この時だけは祥亘と二人きり。この時間を思い切り楽しもう。

祥亘は時々、後ろを確認したり、『大丈夫?』って言って私の事を気にかけてくれる。辺りは真っ暗になっていた。その頃、別れ道になっている所から人が出てきた。

「あれ、夕雲?祥亘も?」

出てきたのは、聖人だった。聖人は同級生で部活はバドミントン部。私の学年ではたった一人しかいない。頭は良くて、テストではいつも上位。なのにがり勉っぽさがなくて、関西人並みにノリがいい。

「もしかして、この辺って聖人んちの近く?」

「そうだよ。あの脇道を抜ければ、学校のまえの公園に着くけど。もしかして迷子?」

そして聖人にいきさつを説明すると『お前ら、バカだな。』って突っ込みをされた。道を教えてもらって、聖人と別れた。

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