テキストサイズ

夕雲の中学生恋愛日記

第6章 秘密のパーティー

「あ、あの祥亘、もしかして、私にケーキ作れって言ってる?」

「わかんなかった?」

「だよね。祥亘が作ってよ、私が料理苦手なの知ってるでしょ。」

「やっぱこういうのは夕雲の担当だから。」

「でもっ!」

「いいから、きっと智也くん、喜んでくれるよ。」

降参した。だって断れそうにはないから。祥亘は一度決めたことは覆さない。私が言ってもきっと無駄。あきらめて、ケーキを作る。












「祥亘、終わったんだけど。」

「こっちもあと少し。夕雲も手伝って。」

「うん。」

あとは壁の装飾だった。折り紙で作った輪を壁につけていく単純な作業だけど、背が低い私には辛かった。私のやっているエリアが最後で祥亘が手伝いに来た。

「ったく、小さいなぁ。」

「好きで、小さいんじゃないの!」

私の後ろに祥亘が立って、私の手を掴む。その手からくる温度が、心地よかった。

「フゥー」

「なっ!?」

わざとかはわからないけど祥亘が私の耳に息を吹き掛けた。驚いた私は、振り返って祥亘を見上げる。

「なに?」

「今、耳に…」

「ごめんごめん、弱いって知らなくて。」

「知っててやってるでしょ?」

そんな顔をしてた。本当に祥亘は何がしたいのかわからない。

「じゃ、智也くん、迎えに行くか。」

「うん。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ