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夕雲の中学生恋愛日記

第6章 秘密のパーティー

智也くんは私が作ったケーキを見ると、まるで条件反射のように後ずさった。

「ひどい。」

「そうだよ、智也くん。せっかく、夕雲が作ってくれたのに。」

「でも、祥亘も知ってるだろ?夕雲の料理があれだってのは。」

「昔とは違います!いいから、食べてよ、智也くん。」

「ほら、夕雲も言ってるし。」

「じゃ、俺が死んだらあとは頼むわ、祥亘。」

「大丈夫。死んでも、俺が野球部を守るから。」

ちょっ、なんでそんな話に!私の料理はそんなにダメなの?智也くんも祥亘もひどい…。そして、智也くんは震える手でフォークを口まで運ぶ。

「……うまい。」

「本当!?」

「智也くん、大丈夫?意識飛んでない?」

「大丈夫。めちゃくちゃうまい。ありがとな、夕雲!」

よかった。喜んでもらえて。







パーティーが終わったあとはみんなで部屋の後片付けをした。久々に、三人で集まった気がする。嬉しい、それだけの言葉が身にしみた。

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