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私の後ろに立っていたのは智也くんだった。私は声を出すことすらできなかった。それくらい、ショックが大きくて、もうなにがなんだかわかんなかった。智也くんは私の目の前に来て、少し屈んで私の顔を覗きこんだ。

「夕雲…こんなときにこんなこと話すのもあれだけど、」

「…。」

「俺は、昔から夕雲が好きだよ。小さくて危なっかしくて、言うこと聞いてくれなくて、でも夕雲が好きだ。夕雲は祥亘が好きだから、俺は今まで祥亘に遠慮してきた。夕雲には幸せになってもらいたいから。でも、もう遠慮するのはやめる。」

「…どうして」

「今の夕雲は祥亘が好きだけど、幸せそうに見えないから。俺が自分のやり方で幸せにしたい。なんか、つけこむみたいで申し訳ないけど、夕雲。俺と付き合おう。」

智也くんが私を好き？今まで私の相談を聞いてくれた智也くんが？ならきっと私は智也くんになんてことをしてきたんだろう。

「私はまだ智也くんを男の人として見れないかもしれない。それでもいいの？」

「いいよ。この気持ちは嘘じゃないから。それに、俺は歳上だよ？絶対男としてしか見れないようにする。」

「ありがとう、智也くん。」