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夕雲の中学生恋愛日記

第8章 変化

「好きな人と話したいのに理由なんていんの?」

「いや、いらないと思う。」

「でしょ?」

中央階段はあまり使う人はいない。使う人といっても3階の美術室に行くくらいだから4階の私達には関係ない。

「朝、夕雲を送ったあと、祥亘に会った。なんでいるんだって言いたそうな顔だった。」

「私は、今日の放課後祥亘と話すことになってて…」

「溜めてるもん、ぶつけてみな。終わったらすぐに迎えにいくから。それまで待ってる。…泣いてもいいから後悔だけはすんな。」

「うん、大丈夫。」

智也くんはいつでも優しい。付き合ってて自分を一番に考えるはずなのに、他人のことまで面倒見てくれる。嬉しい、その一言だけだった。チャイムが鳴って智也くんと別れて教室に戻る。午前と同じで授業は頭のなかに入ってこなかった。

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