檻の中の女
第7章 学校生活
授業が始まるチャイムの音で、私は席についた。
どうしようもなく悲しい気持ちが溢れる。
詩織は、本当に純粋で綺麗な子だ。
お父さんとお母さんが亡くなった今も、2人の愛情に包まれて、守られているのが分かる。
本当だったら、
詩織もいつかはお父さんの様な素敵な人に出会い、素敵な恋をして幸せになれるはずだったのに。
幸せになる資格があるのに……。
そう思わずにはいられない。
私は産まれたときから人生が決まっていたからもう今更違う人生に憧れるようなことは諦めている。
だけど、詩織の将来も自分と同じような未来が待っていると考えると辛くて仕方ない。
女を買うような、男たちのところに行かなくてはいけないなんて。
そしてそれがいつかは分からないが、
その日は必ず来るはずだ。
詩織はこんなにも美しいし、
私も、カスタムガールある以上、自分の美しさは分かっている。
その日がくれば、私たちはもう会えない……。