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檻の中の女

第7章 学校生活


「初登校お疲れ様」

学校からの帰り道、詩織に声をかけると

「ほんと、緊張して肩こっちゃった……
でも、みんないい子そうで安心したよ。」

ほっとしたような表情で詩織は息をつく。


友達と一緒に下校する。

初めてではない。
しかし、いつも自分の住んでいる所を隠し、
途中まで別れなければいけない。

本当の意味で一緒に帰るというのは
今日が初めてかもしれない。


しかし、楽しい時間は束の間で、
学校のことなど他愛ない話をしていると
無残にも目の前には私たちの帰るべき場所、
施設が広がっていた。

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