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天女

第5章 陰謀

それなら確かめるしかないと決意し
勢いよく立った。


「もしかして小人さんも居たりして」

辺りを見回したが当然のように何もない。


まあ手入れされた花ならあるのだけれど
残念ながら私は花に詳しくない。

何もない当たり前の空間。

「それが普通 なんだ」
私を横切る風はくすりと笑うように通り過ぎていく。


私が居る場所がわからない時点で
当たり前が通用しない。

「寂しいな」

一体何を信じていけばいいのだろう。
不安定な世界はまだ恐ろしくて 広過ぎて
立ちすくむことしか出来なかった。


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