テキストサイズ

フーセンガム

第27章 文化祭

(二宮side)

翔と会えて嬉しかった。
触れられて嬉しかった。

「えへへ…」

にやにやしてしまう。
最近、ずっとこんな感じ。

翔があと少しで卒業するなんて全然、実感が沸かなかった。

相「あ、にの!」

振り返ると、笑顔で俺を呼ぶ雅紀がいた。

「どうしたの?」
相「うちのクラスは、カフェやるらしいよ」
「ふーん」
相「それでね…」

言いにくそうに雅紀が口を開く。

「なに?」
相「もしかしたら…にの女装するかも」
「ふーん…」

女装か…。

「ん?女装?」
相「うん」
「なんで俺が!」

なんで、女装なんてしないといけないんだよ!

相「…可愛いから?」
「か、かわっ…」

可愛いとか言うなよ…。
照れる…。

相「でも、決定事項じゃないし。まだわかんないから念のためね。」
「もう…わかったよ」
相「覚悟しときなよ」
「覚悟って?」
相「まぁ、いろいろと?」

意味ありげな言葉を残して、先に教室に戻って行った。

覚悟?

あ、翔に報告しないと。

そう思い、携帯を開いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ