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フーセンガム

第31章 グランプリ

(櫻井side)

「皆さん、こんにちは。司会の櫻井翔です」

ヒューと、口笛が鳴る。

「美男美女グランプリ、まずは美男グランプリからです。」

『エントリーナンバー…』

放送が入る。
俺は、近くの椅子に腰をかけていた。

自己紹介、趣味、特技など、流れ作業のように進んでいく。

『エントリーナンバー4、相葉雅紀』

ついつい、立ち上がる。

たくさんの歓声を浴びて舞台に立つ。

相「相葉雅紀です。2年です」

今までの男子とは違い、初々しい感じが雅紀のよさを際立てている。

相「趣味とか特技とか、ないです。ただただ明るいことが自慢できる自分のよさだと思います。」

にこって笑って、言う。

「いいね…。」

俺は、確信した。
雅紀が、優勝だな。

周りの感触もいい。

『エントリーナンバー5、櫻井翔』

「はぁ!?」

ライトが、俺にあたる。

「えっ、俺でるなんて…」

客席をみると、和也がキラキラした目で見ていた。

「はぁ…しょうがないな…」

和也のためなら…。

「櫻井翔、3年です」

いつになく、歓声がおきる。

「趣味は、勉強。特技は、早口言葉ぐらいです。」

『やってー!』
女子の声が耳に響く。

めんどくさ。

そう思い、舞台から降りてグランプリの進行を始める。

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