テキストサイズ

フーセンガム

第32章 愛

(櫻井side)

ニ「二宮和也です。2年です。」

予想通り、ブーイングが起こる。

ニ「……。」

黙りこむ。

和也と目が合う。

助けを求める、視線だった。

『また、男かよ!』
『そんな趣味は、家でやったらどうですか?』

バカにするヤツまで出てきた。

もう、我慢の限界だった。

「だまれ!」

会場が静まる。

ニ「翔…」
「男が出て…なにが悪いんだ。女装をしてなにが悪い?」

俺の問いかけに答えるヤツは、いなかった。

「和也は、俺の恋人だ。」

会場がざわつく。

「誰が、なんと言おうと俺は和也が好きだ。」
ニ「翔…」
「大丈夫、おいで」

手を広げると、和也はそのなかに収まった。

すると、パチパチと拍手が聞こえた。

その方をみると、水澤がいた。

水澤「あたしは、応援するよ。」

水澤が、言い出すと俺のクラスのヤツも『応援する』、『男が出ちゃいけないなんてルールにないしな』
と、賛同してくれ拍手もくれた。

「みんな…」

会場が、さっきとはうってかわり拍手に包まれた。

ニ「翔…」

俺を見上げる和也にキスをした。

会場は更なる盛り上がりをみせた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ