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フーセンガム

第34章 実家

(二宮side)

翔に案内された部屋に入る。

翔は、「あとで来るからここで待ってて」って言ってた。

窓から見える景色は、ビルに囲まれて空が狭くみえた。

「銀座か…。」

気づいてた。
翔は、『お金持ち』って言われるのが嫌いってこと。

こんなおっきいお城みて、銀座に実家があるなんて…。

お金持ちだよな…。

俺んちなんて、田舎だったし普通の暮らししかしてこなかったからなんか目眩を起こしそうになる。

「…眩しい」

この家が、翔が…。

コンコン。
ドアがノックされる。

「はい」
奏「こんちには。」

きれいな女の人が入ってきた。

「…こんちには。」
奏「翔の母、櫻井奏です。」
「あ、二宮和也です。」

軽く頭を下げる。

奏「いつも、翔がお世話になってます」
「いえ、俺が世話になってます(笑)」
奏「翔の恋人なんですね」
「えっ、まぁ…はい…」
奏「……翔に異変はないですか?」
「え?」

異変?

「…ないです。」
奏「そうですか…」

翔のお母さんは、安心したように息を吐いた。

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