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フーセンガム

第35章 輝き

(二宮side)

翔と奏さん(そう呼ぶように言われた)は、買い物に行った。

俺も誘われたけど親子水入らずで買い物に行ったほうがいいと思ったから断った。

そして、今は翔のお父さんの部屋に呼ばれていた。

勤「二宮くんは、どうして翔を選んだんだ?」

コップに紅茶を注がれる。

「…選んだっていうか、一目惚れです」
勤「もとから、そっちの気はあったのか?」
「いやいや、全くありませんよ」
勤「じゃあ、どうして?」
「わかりません。いまだに、なんで男の翔を好きになったのか…。きっと一生の疑問でしょうね」

紅茶をすする。

勤「…そうか。」

翔のお父さんは、なにかを考えるように上をみた。

勤「ケンカはするのか?」
「はい。もちろんです。ついこないだは、別れ話までして一回距離おきましたよ」
勤「翔が、なんかしたか?」
「翔って、よく男子といて俺が勘違いしてしまって…ってことがケンカの大半です」

笑って返した。

勤「二宮くんは翔が好きか?」
「はい。大好きです」

昔なら、恥ずかしがって言えないと思う。
けど、今なら胸を張って言える。

「愛してます。」
勤「そうか、そうか。」

目には、うっすらと涙を浮かべていた翔のお父さん。

「翔は…もう立派な大人の男性ですよ」

翔のお父さんの手を握る。

勤「うっ…翔を…よろしく頼む…」
「はい。もちろんです。」

翔のお父さんは、泣いた。

俺が、部屋をでてもその声は家に響いていた。

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