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フーセンガム

第35章 輝き

(櫻井side)

母さんが、学校に連絡をいれてくれた。

和也も忌引きで通ったらしい。

ニ「翔…」

深夜、父さんのそばにいる俺のもとに和也がきた。

「なに…」

声もまともに出なかった。

ニ「翔のお父さん…言ってたよ」
「なんて…」
ニ「『翔、頑張れよ』って、最後に言ってた」

和也は、俺の隣に座って、手を握って背中をさすった。

「うっ…」

まともに泣き声も出なくて、和也の体温を感じながら涙だけを流した。

ニ「それとね…翔と奏さんが買い物に行ってる間にビデオレター録ったんだよ」
「え?」
ニ「死んだときに見せるビデオ。俺、近くでみてて泣いてたよ」
「みたい…」
ニ「言うと思ったよ」

リビングに行くと、使用人が映画でも観るかのように準備をしていた。

奏「あら、翔もきたの」

深夜だっていうのに、まだ起きてたんだ。

「ビデオレター…みたいし」
奏「うん。私も」

和也は、俺が座るのを確認して照明を落とした。

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