テキストサイズ

フーセンガム

第40章 会社

(櫻井side)

会社に入ると、和也はキョロキョロ周りを見渡していた。

会社なんて、滅多に入る機会ないから珍しいんだろうな。

「このまま、社長室行く?まだ、時間あるから会社案内してもいいけど」
ニ「え?いいの?」

目を輝かせる和也。
そんなに見学したかったのか(笑)

「じゃ、行こうか」
ニ「うんっ!」

まずは、いろんな部署に行った。

和也は、経済課が電卓を早打ちしているのをみて「やりたい」と言い出した。

長岡「珍しいですね。」

後ろから、長岡が話しかけてきた。
長岡は、この部署の部長だ。

「なにがだ?」
長岡「笑ってますね」
「は?」
長岡「あんなに、優しい顔をしてる社長をみるのは初めてです。」

長岡は、父さんと仲がよかったらしく生前の父さんから俺を見てるように頼まれたらしい。

長岡「恋人ですか?」
「あぁ。」
ニ「ねぇ、翔。経済課の人って凄いね」
「ふふ、経済課だけじゃないよ。この会社は優秀な人しかいないんだよ」
ニ「そうなの?じゃ、清掃員さんも?」
「当たり前だよ。」
長岡「式には、呼んでくださいね」
「えっ」

長岡は、仕事に戻った。

ニ「翔、次行こ…あっ」

急につまずく和也。

「ふぅ…危ない」
ニ「翔…」

和也の手を引き、胸に抱き留める。

ニ「みんな…見てる…」
「見せつけちゃえばいいんじゃない?」
ニ「え?うわっ」

和也を抱き抱える。

「じゃ、仕事頑張ってくださいね。ほら、和也も」
ニ「え?あ…頑張って下さい…」

そのまま、社長室に向かった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ