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フーセンガム

第47章 誇り

(櫻井side)

守「ふぅ…」

和也のお父さんは、ため息をついた。

「あの…」
璃「和也を、よろしくお願いします」
「へ?」
璃「和也…ああ見えて結構寂しがり屋なのよ。小さい頃から、私達が働きに出てて…」

和也のお母さんは、和也のことをいろいろ教えてくれた。

ほとんど、俺の知らない和也だった。


璃「和也が、あの名門高校に入るなんて…驚いたのよ。」
「名門だなんて…」
守「俺達は、何一つ和也にしてやれなかった。だけど、和也は俺達の誇りなんだ。」
「誇り…」

呟く。

璃「和也を…よろしくお願いします」
守「幸せに、してやってくれ」

俺が挨拶してるんじゃなくて、和也の両親が挨拶してるみたいだった。

「はい。」

はっきり返事をすると、和也の両親は微笑んだ。

璃「翔さんの両親には、挨拶を?」
「はい。父が息を引き取る前に」
守「そうか。お悔やみ申し上げる」
「いえ…。それとお聞きしたいことがあるのですが…」

聞きたいこととは、この間のケンカについてだった。

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