テキストサイズ

フーセンガム

第4章 距離

(櫻井side)

勇気をだして、「隣、歩かないの?」なんてことを聞いてしまった。
返事に困ってる二宮くん。
かわいいなぁ…。
じゃなくて…。

そんなこんなが、あり本屋に着いた。

「ごめんね、付き合ってもらっちゃって」
二「いえいえ、俺もちょっと本屋に用があるので」

気ぃ使ってくれてるのかなぁ。

二「っはぁあ!」

急に立ち止まり、俺の制服の裾を握る。

「どうした?」
二「攻略本…」

開いた口がふさがらない状態に陥っている。

「攻略本?」

二宮くんの指を指す方を見つめる。

二「買って、いい?」

首をかしげて、上目遣いで俺を見上げる。

「二宮くんが、買いたいならいいんじゃない?」
二「やった」

小さな子供みたいにはしゃいでる。

「あっ、これこれ」

分厚い参考書を手に取る。

二「え?そんなの買うんですか?」
「うん」

二宮くんが苦い顔をする。

二「お金の無駄…」

ボソッと呟いた。

「無駄じゃないし、さりげなく本持たせないで」
二「えへへ」

だんだん、二宮くんの素顔が見えてきてすごい嬉しかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ