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フーセンガム

第4章 距離

(櫻井side)

二宮くんから、プレゼントをもらった。
あのあと、二人でしばらくゲームをしてたけど全部負けた。

二「何飲みます?」

上を見上げて聞いてくる。
ゲーセンのおかげで距離は縮まっている。
でも、やっぱり距離はまだ遠い訳で…。

二「櫻井先輩?」
「あっ、アイスコーヒーでいいよ」
二「わかりました、まとめて買っちゃうんで席ひろっといて下さい」
「わかった」

すっかり、二宮くんのペースだな。

そんなことを考えていると、角席を見つけた。

「ここでいいかな…」

荷物を下ろし、一息つく。

「キャー!」

ここでもか…。
マジでうるさい。

二「あっ、見っけ」

ニコッて笑って、顔を覗かせる。

「おー、ありがとう」
二「えっと…140円です」

二宮くんに140円を渡す。

二「はい、どうも」

向かい合わせに座る。

「こっち座れば?」

なぜかそんなことを口走っていた。

二「え?」
「おいで?」

少し横にずれて、隣をポンポンと叩く。

二「じゃあ…はい…」

顔を少し赤らめて、隣に座った。

ちょこんって座る二宮くんが可愛くて、平常心なんてどっかに吹っ飛んでいった。

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