テキストサイズ

フーセンガム

第55章 運命

(櫻井side)

「違う……」
華『何が違うの?』

こんなに苦しいのか。
世間に認められない恋や愛は

…こんなに苦しいのか。

「和也を俺は愛した。和也も男の俺を愛した。俺だって、男になんて興味すらなかったよ。それは和也も同じだ。」

和也は、俺から流れ落ちる涙を拭いた。

「それでも、惹かれたということは」
ニ「運命だね」

和也が、華架ちゃんに聞こえるように言った。

「そう、運命なんだよ。誰だって運命の人がいて、その人が女だろうが男だろうが俺は愛したと思う。」

和也の震える肩を抱き寄せた。

「男同士の間に、愛ができないなんて言わないで。俺と和也の間には、愛があるんだから。」

華架ちゃんの言葉を聞かないで、
電話を切った。

ニ「ふぅ……」

声を押し殺して泣いてる和也。

「大丈夫だよ。泣いていいよ」

強く抱き締めると、和也は俺の背中に手をまわして強く俺を抱き締めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ