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フーセンガム

第68章 夏の思い出

(櫻井side)

家に帰ると、和也が沈んだ顔でソファーの上に座っていた。

「た、ただいま…」

声をかけてみる。

ニ「おかえり…」
「どうした?」
ニ「……負けた」
「え?」

負けた?

「なにに?」
ニ「潤くんに負けた」
「潤?」

会ったの?

ニ「たまたま会って、ゲームしてたの」

和也は、ゲーム好きなんだね。

ニ「で、今まで2回対戦したんだけどほとんど勝ってたのね。」

上目遣いで話す和也の話に相づちをうちながら聞いていた。

ニ「今日さ…初めて5敗したの!」

涙目で身を乗り出す和也。

「5敗?」
ニ「今日は、12種類のゲームしたんだけど約半分負けてるんだよ!」

ほんとに悔しそうに話す。

「ちょっと待って」
ニ「ん?」
「俺は、ひとつも和也に勝てるゲームがないんだよ?」
ニ「翔が下手すぎるの」

真顔で答える。

「うっ…」

言い返す言葉が、ない。

ニ「あー!もう悔しい!」

立ち上がって、鞄を持った。

ニ「今日は、外食ね!焼き肉!」
「あ、はい…」

そんなに悔しかったんだ(笑)

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