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フーセンガム

第69章 秋の訪れ

(櫻井side)

また、徹夜の日々が続いていた。
長岡は、
「私がやりますから、早く帰ってあげてください。」
って言ってくれるけど、俺としては自分の仕事をしっかりとこなしたい。

「……ふぅ」

窓の外を眺めながら、さっき淹れたコーヒーを飲む。

ふと、時計に目を向けると午前2時を指していた。

「寝てるだろうな…」

大学に行かないと決めた和也。
徹夜で勉強なんてことはないし…。

そんなとき、携帯が鳴った。

掛けてきたのは、和也だった。

「もしもし、まだ起きてたの?」
二『うん』

眠そうな声をだす。

「寝てていいのに…」
二『今日も遅くなるの?』
「うん。まだ終わりそうにない」
二『そっか…』

寂しそうに、呟いた。

「朝には帰るから、朝ご飯お願いね!」
二『うんっ、分かったよ♪』
「じゃあ、おやすみ」
二『おやすみ』

電話を切ると、とてつもない寂しさが押し寄せてきた。

「んん~、あと一仕事…」

伸びをして、二人で朝ご飯を食べるためにまたパソコンに向かった。

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