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フーセンガム

第6章 初日

(二宮side)

大「捕まえた♪」

なんで楽しそうなんだよ。

「もう…なんのようですか?」
大「うまくいったんだって~?」

大野先輩に、耳元で言われる。
絶対に、ニヤニヤしてるよ…。

「なっ!」
櫻「智…ってなにしてるの!?」

俺の手を引いて、大野先輩から解放される。

大「嫉妬?」

大野先輩がニヤニヤしながら言ってきた。

櫻「わ、悪りぃかよ」
「…翔さん、手…」

ぽけーっと、繋がれた右手を見つめていた。

櫻「あっ!ごめんっ」

パッと手が離れる。

「いや、大丈夫…」

どちらかと言うと嬉しかった。

偶然でも、嬉しい。

相「みんな、早いよ!」
「どうせ、余計に走ったんでしょ」
相「あはっ、そうだよ」
「相バカ」

無駄に体力使って…本当に相バカ。

それでも…こんな雰囲気に安心してしまってる自分がいる。

櫻「二宮くん?」
「あっ、なに?」
櫻「ううん、何でもない」

『二宮くん』じゃなくって別の呼び方がいいな…。
なんて、らしくないことを考えていた。

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