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フーセンガム

第80章 だからこそ

(二宮side)

授業が早めに終わった。

新とは、口を利いてない。

「あの…新…」
新「…。」
「さっきの電話…翔からなんだ」
新「…付き合ってるの?」
「えっと…うん」
新「…そっか」

新は、鞄を肩にかけて教室を出た。

あぁ、なんか気まずいな…。
新は、俺のこと好きでいてくれたのに。

なんか、自動的にフッた感じ…。

「…あれ?」

いつも10分以内に返事してくれるのに。

返事がない…。

不安になって、電話をかけてみる。

向こうから聞こえるのは、何回も聞いた機械音。

「え…どうしたんだろ…」

俺からの電話にでないことなんて今までなかった。

まだ、怒ってる?

でも、さっきの電話ではそんな感じしなかったんだけど…。

「なんか…あった?」

嫌な想像をしてしまう。

もしかしたら……家にいないかもしれない…。

考えるだけで、泣きそうになる。

そんな気持ちを抑えて、家に向かって走り出した。

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