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フーセンガム

第81章 Christmas

(二宮side)

水澤先輩から渡されたのは、ミニスカートのサンタの洋服。

赤と白のミニスカワンピースにふわふわの白い羽織もの。

これを女子は『ケープ』と呼ぶ。

「うわっ、ふわふわ…」

思った以上にふわふわで暖かい。

まぁ、暖房が効いてるからだと思うんだけどね。

水「チャック閉めた?」
「あ、閉めれました」
水「ケープは?」
「ちゃんと、着ました」
水「じゃ、髪やるから出てきてー」

水澤先輩に呼ばれてカーテンを開けた。

鏡に姿が映る。

水「わぁお、可愛いじゃん」
「えへへ…」

可愛いだなんて…。

水「はいはい。座ってー」

素直に椅子に座ると、水澤が俺の髪をまとめた。

水「痛かったら言ってね」
「はい」

水澤の手つきは慣れていて、全く痛くなかった。

「水澤先輩は…美容師にならないんですか?」

ふと、思い出した。
水澤先輩は、美容師志望だった。

水「ん~?わかんない。今は、服をいじってるほうが楽しいからさ」

水澤先輩は俺の質問に答えると、
ヅラを俺に被せた。

水「はい。完成」

鏡を見ると…。

「可愛い…」

自画自賛した(笑)

水「あとは、メイクでもしようか」
「メイク?…俺が!?」
水「じゃ、始めるね」

俺は、水澤先輩のなすがままだった。

メイクをする手つきも慣れてた。

水澤先輩って…凄い人かも。

なんとなく、直感で思った。

水「はい。もう、終わり。会場に行っておいで」
「あっ…はい!」

なんか、ほんとの女になった気分(笑)

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