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フーセンガム

第81章 Christmas

(二宮side)

櫻「見つけた」

手に持つ、フォークを落とす。

「しょ…」

名前を呼ぶ前に、抱き寄せられる。

櫻「見つけた…和也…」

あ、見つかったら…。

櫻「水澤のとこに行こう」

翔に手を引かれ、裏方スタッフルームに向かう。

「でも、見つかったから…」

翔と話をすると矛盾が見えた。

櫻「え?違うよ」

翔が聞かされていたのは

俺を見つける→俺といれる
見つからない→水澤先輩と過ごす

俺が聞かされていたのは

俺を見つける→水澤先輩と過ごす
見つからない→俺といれる

真逆じゃんか!

櫻「いいように言われただけでしょ?てか、和也をのせるための罠だと思うよ」
「えっ、俺、騙されたの?」
櫻「単純になったな」

笑いながら、頭を撫でてくる。

「バカにしてんだろ!」
櫻「あはは、ごめん。」

再び、手を引かれる。

櫻「うわぁ!時間!」

翔が、急に叫んだ。

「え?なんの時間?」
櫻「うわぁ!やべぇ!」
「えっ、ちょ、翔!?」

急に、お姫様抱っこをされて来た廊下を戻る。しかも、走りながら。

櫻「和也」
「な、なに?」
櫻「結婚するか?」
「もう、何回も言ってるでしょ」
櫻「確認」

翔の頬にキスをする。

「はい、答え♪」

翔は、満足げに笑って会場の扉の前で俺を下ろした。

櫻「今日から、俺の嫁ね」

『え?』
と、返事をする間もなく会場の扉が開かれた。

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