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フーセンガム

第81章 Christmas

(二宮side)

会場の扉が開くと、全員が俺らを見て拍手をしていた。

櫻「和也、おいで」

俺の、一歩前を歩く翔に手を差し出される。

俺は足がすくんでしまい動けなかった。

櫻「和也?」
「ど、どういう…」

翔に詳細を聞こうとすると、
会場に声が響いた。

水「櫻井社長が、入場いたします。盛大な拍手でお出迎えください。」

水澤先輩だった。

俺は、頭のなかがごちゃごちゃして
その瞬間、真っ白になった。

櫻「和也、大丈夫?」
「えっ、う、うん…」

翔の手をとって歩き出す。

服も、さっきと同じものだから…。
なんか、複雑な気分。

水「ステージにどうぞ。」

水澤先輩の進行どうりに、動く。

水「改めて紹介いたします。わが社、社長の櫻井翔さんです。再び、盛大な拍手をお願いいたします」

大きい拍手をきいて、実感した。
翔は、立派な大人なんだって。

水「それでは、櫻井社長、挨拶をお願いいたします。」

マイクが渡ってきて翔がマイクを持つ。

櫻「メリークリスマス!」

マイクをもってすぐに言うと、会場が笑いに包まれる。

櫻「ははっ、楽しんでますか?」

マイクを社員に向けると、たくさんの声が返ってくる。

櫻「よかった、よかった。今日は、皆さんに紹介したい人がいます」

翔は、俺を見て微笑んだ。

櫻「俺の、恋人です」

翔は、俺にマイクを渡した。

「えっ…えっと…」

俺が、男だと言っていいのか、悩んだ。

翔の仕事に支障がでるのは嫌だし…。

櫻「和也、大丈夫だよ」

俺は、翔の言葉を信じることにした。

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