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フーセンガム

第81章 Christmas

(櫻井side)

和也は、マイクを持ち一歩前に出た。

ニ「初めまして、二宮和也と言います。お知りの方もいらっしゃるでしょうが、2年前、私たちは離れました。」

和也は、少し涙目になりながらも
俺たちの関係を応援してほしいと訴えかけた。

そんな和也の話を、
まるで、政治家の話を聞くようにみんなは真剣に聞いてくれた。

ニ「どうか…どうか、お願いします」

和也は、最後まで俺の話をしてた。

『男と一緒だけど、冷たい目で見ないでほしい』
『これからも、翔に付いていってほしい』
『翔は、会社と社員のみなさんを一番に考えてる』

とか、俺の涙腺が崩壊しそうなことばっかり言うから。

ニ「俺は…女でもないし、ましてや女装の趣味なんてもってない。でも、こんな俺を…翔は愛し…」

和也が振り向き目が合う。

ニ「ふっ、翔?どうしたの?」

泣いてる俺を、鼻で笑った。

ニ「翔?」
「泣いてんだよ!」

マイクが通っていて、俺の声が会場に響いた。

ニ「み、水澤先輩!マ、マイク…」

和也が、水澤を呼んでマイクを手渡した。

水「みなさま、再び盛大な拍手をお願いいたします」

水澤が、声をかけると今日一番の拍手をもらった。

まだ、風当たりは強いかもしれない。
けど、和也が側にいる限り…

俺は、負けない。
身を引いたりしない。

だって…

「和也、愛してる」
ニ「はいはい」

軽く気持ちをあしらわれた気がする。

けど…
好きなものは好きだ。

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