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フーセンガム

第8章 秘密

(二宮side)

大「翔ちゃん、遅いね」

放課後、購買のイスに腰をかける。

そう言えば、ここで翔さんと初めて喋ったんだっけ?

ほんの少ししか経ってないのに、懐かしく感じた。

「部活だからしょうがないです」

正直、寂しい。
まだ付き合って少ししか経ってないし、側にいてほしいって気持ちはあった。

だから、智くんの側にいる。

大「和也くん?」

目が合う。

「ん?なんですか?」
大「ううん、ボーッとしてるからさ」
「そうでした?」
大「うん」

肘をついて、フニャッて笑う。

かわ……。
駄目だって!

昨日、1日一緒にいただけなのに智くんを意識してる。
そんな自分に、腹が立つ。

大「和也くんって、本当に翔ちゃんが好きなの?」
「えっ?」

どういう意味で聞いてるの?

大「一目惚れなんて、一瞬なんじゃないかな?」

どういうつもりで言ってるの?

大「そう考えるとさ、翔ちゃんのこと…本当は好きじゃないんじゃない?」

なんでそんなこと言うの?

「好きですよ。大好きです」

ボタボタと大粒の涙が、机に落ちる。

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