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フーセンガム

第8章 秘密

(大野side)

和也くんを泣かせてしまった。

「ご、ごめ…」
櫻「お待たせ…ってかず!?」

タイミングが、良いのか悪いのか翔ちゃんが来た。

二「しょおさ~ん」

すぐに立ち上がって、翔ちゃんに抱きつく。

櫻「どうしたの!?」

和也くんは、何も答えずにただただ翔ちゃんの胸の中で泣いていた。

櫻「えっ?智…なんかした?」

眉間にシワを寄せる。

「…帰る」

僕は、その場の空気に耐えられなくなってかばんを肩にかける。

櫻「智!」

翔ちゃんの怒鳴り声が聞こえて、足が止まる。

櫻「何したんだよ!」
「…別に。なんにも」
櫻「さとっ…かず?」
二「…。」

足音が聞こえて振り返る。

二「智くん」

聞いたこともない声が聞こえる。

「な…」

『何?』

そう聞くまえに、バシッ!っと乾いた音が響いて、右頬に痛みが走る。

二「智くん、無理してますよね?」
「っ!」

少し長い沈黙が、あって和也くんが苦い顔をして言った。

二「知ってますよ。俺の親、医者なんで」
「なっ!」
櫻「…どういうこと?」

ずっと隠してたのに…。

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