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年上のカノジョ

第2章 複雑な気持ち

「さ、勉強するわよ」

「へいへい」

俺が椅子に座ると、遥は嬉しそうに「そうだ!」と声をあげた。

「な、なんだよ…」

「さっきおばさんに聞いたけど、数学の先生に褒められたんだって?」

「まあな」

「よかったね!頑張ってる結果がちゃんと出てきたんだね〜」

ほっこりと嬉しそうな遥の笑顔は何だか見ていて照れ臭い。

遥はさらに続けた。

「あたしが来ない日にもちゃんと自分で勉強してるっていうのも聞いたよ」

「…宿題あるからやるしかねぇだろ」

『遥ちゃんに認めてもらいたいからだと思う』なんて母さんが言うから、「数学がわかるようになったから」って素直に言えなかった。

何か俺、カッコ悪ぃ。

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