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年上のカノジョ

第2章 複雑な気持ち

「うん、それでも自分からやろうって思うのは偉いよ」

遥は、「頑張ってるね、祐樹」と言いながら俺の頭をくしゃっと撫でた。

「ちょ…っ!」

ドクン!と心臓が跳ねた。

驚くやら照れ臭いやらで俺の頭はショートしそうだ。
慌てて体を引く。

「ガ、ガキ扱いすんなよっ」

照れ隠しに少しふて腐れた態度を取ってしまった。

遥が気を悪くしたかな…と思って顔色を伺ったが、俺の態度なんか全く気にしていないような笑顔で俺を見ていた。

「な、なんだよ…」

「ううん、祐樹も中学二年なんだなぁって改めて思っただけ」

「何だよ、それ」

「少しは大人になったのかなって思って」

遥は肩をすくめるようにしてふふっと笑った。

「…ったり前だろ」

また少しふて腐れたように言う俺にくすくす笑う遥。

「少しは大人になったけど、あたしにとってはやっぱりあの頃のかわいい祐樹くん、かな」

ぽんぽん、と頭を撫でられ、昔の記憶が甦る。
それと同時に胸の奥がチクリと痛んだ…

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