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年上のカノジョ

第1章 家庭教師が来た!

「ごめんなさい…」

「ごめん…」

母さんを怒らせると怖い。俺たちの兄弟喧嘩はいつも母さんの一言で終わる。

でも、今日はその後があった。

「あんたがあんまりできないから家庭教師を頼むことにします!」

「げっ!」

最悪の展開だ…面倒なことになった。でも、母さんが一度言い出したら絶対実行することはわかってる。

俺は深くため息をついた。

そんな俺を横目で見ながら宏樹が笑いをこらえている。ムカつくが、喧嘩したらまた怒られるのは目に見えてるのでぐっとこらえる。

「さ〜て、宿題やろっと」

要領のいい宏樹はわざと大きな声で言う。

「宏樹はえらいわね。祐樹!あんたも宿題あるんでしょ。早くやりなさい!」

…くっそ〜、宏樹のやつ…いつか仕返ししてやるからな…

そう思いながら、俺は宿題を終わらせるべく、しぶしぶと机に向かったのだった。

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