テキストサイズ

年上のカノジョ

第3章 遥と友洋

「大丈夫か?」

キーパーの悟(さとる)先輩が手を差しのべてくれた。

「ぁ……あざ…っす」

手を借りて何とか立ち上がる。
足元がふらついた。

ベンチでは友洋やケンジさん、監督たちが泣きそうな笑顔で待っていた。

「よく頑張ったな!」

「お前らのおかげだよ!」

感謝の言葉とやや乱暴な祝福を浴びせられる。

滅茶苦茶疲れたけど…気持ちイイ。





「この活躍、カテキョーのオネーサンに報告だな」





友洋に言われてハッとする。

「そうだな」と曖昧な笑みを返しながら、遥ならきっと二人を「すご〜い!」とか言いながら笑顔で誉めてくれるんだろうと思った。

そして…

友洋の頭をくしゃっと撫でる遥と、嬉しそうに笑う友洋を思い浮かべてみる。

うわ…何か…複雑……



「『カテキョーのオネーサン』って何だよ」

俺の残念な妄想は、ケンジ先輩の言葉でかきけされる。

「それは…」

友洋が嬉しそうに説明する。

「祐樹の家庭教師が現役女子大生なんですよ!」

いやいや、そんなに大袈裟に説明しなくても。

「女子大生!その響きがヤベエな!」

先輩達は友洋中心に勝手に盛り上がっている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ