テキストサイズ

年上のカノジョ

第3章 遥と友洋

「いつもはあっちの机でやるんだよ」

「へえ。その時オネーサンはどうしてんの?」

「隣で見てるに決まってるだろ」

遥はいつも俺の左側に座って俺が問題を解くのを見ている。そして、俺が間違えたり悩んだりすると、1つ2つのヒントをくれる。それが多分とても的確で、俺はだいたいそのヒントをもとに自分で解くことができている。

「ふ〜ん」

友洋は楽しそうに頷いた。きっと隣に『カテキョーのオネーサン』がいるのを想像してるんだろう。



その時。

「こんにちは〜」

下から遥の声がした。

「おっ!来た?」

友洋がハッとしてドアのほうを見る。何だかやたらと期待しているようでそわそわしている。その影響か、俺まで落ち着かない。

トントントン、と階段を昇ってくる足音。いつもはゲームをやっているけど、今日はそうではない。どんなふうに遥を迎えたらいいかとても悩む。

その意思も決定できないうちに遥がドアからひょっこり顔を出した。

「こんにちは」

「お、おう」

俺は小さく会釈した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ