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年上のカノジョ

第3章 遥と友洋

「だからお前はモテないんだよ」

「…っるせーなぁ」

だからといって「モテるし!」と言えるほどモテたためしもない。

「あんだけ試合で活躍してりゃあもっとモテてもいいと思うぜ?」

「祐樹、活躍してるんだ」

遥がやたらとワクワクした顔で友洋に訊ねる。

「そうですよ、昨日の試合もすごかったんですよ〜」

友洋は自分の活躍も織りまぜながら、昨日の試合について熱く語った。

「そっか〜、二人はサッカー部にとってなくてはならない選手なんだね」

遥の言葉がくすぐったくて、「そんなことねぇよ」と言おうとした俺の言葉にかぶせるように友洋が調子よく言う。

「なくてはならない、とまではいかないけど、まあなかなか役に立つ選手、ってとこですかね」

「そうなんだ。今度見に行ってみたいなぁ」

「えっ……」

「マジですか?!今度の土曜も試合なんですよ!」

心の中で「げげっ!」と引く俺とは対称的に、前のめりで遥を誘おうとする友洋。

「土曜かぁ…」

遥は少し考え込むそぶりを見せた。

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