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年上のカノジョ

第3章 遥と友洋

「遥さん、そんなダメ出しすんの?」

「ああ。小さい頃それでどんだけ泣かされたかわかんねぇわ」

あの頃の、上から目線で(まあ上からなのは当たり前なんだが)びしびし言う遥を思い出す。

「祐樹、そんなこと言ったらあたしがいじめっこみたいじゃない」

「実際いじめっこだったと思うぞ?」

「いじめてないわよ。間違ったことしたから『間違ってる』ってちゃんと言ってただけよ」

…そうだっただろうか…

そうだったことも半分くらいは…あったかもしれない。でも大半は遥に言いたいこと言われて泣いてた気がする。しかも、泣いたら泣いたで「男の子なんだからそんなにメソメソしないの!」と一喝された覚えが…

「ははは。遥さんは祐樹のお姉さんかお母さんみたいだったんだな」

他人事だと思って友洋は楽しそうに笑っている。

「そうね。祐樹はあたしの『弟』みたいなものだったから、あたしがちゃんとさせなくちゃ、って思ってた部分があるかもしれないな」

「祐樹はいいなぁ。こんないい『お姉さん』がいて」



『弟』、『お姉さん』。

二つの言葉は俺の心の片隅になぜかひっかかった…

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