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年上のカノジョ

第4章 弟

次の日。

家庭教師で遥が再びやってきた。

「昨日の友洋君っておもしろい子ね。学校でもああなの?」

「まあ、そんな感じかな」

「おもしろくて顔立ちも綺麗だからモテるんじゃない?」

ふふっと笑う遥に何だかもやもやする。

「モテてるよ。でもあいつは全然気付いてないけど」

つっけんどんな言い方をしてしまった。

さらに。

「何だよ、友洋のこと好きになったのか?」

これじゃあまるで俺が妬いてるみたいじゃないか。

「違う違う、そうじゃないけど」

苦笑いしながら遥が言う。

「だって友洋君は祐樹の同級生でしょ?『弟』がもう一人増えたようなものよ」

…また、『弟』か…

「そんな可愛い『弟』が幸せだったら何だか嬉しいじゃない?」

遥のその言葉で『可愛い弟』の夢はあっけなく打ち砕かれたなぁ…というのは内緒にしておこう…

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