年上のカノジョ
第4章 弟
「……だってさ」
「マジか!!」
よっしゃ、とガッツポーズを作る友洋。
遥が友達連れて見に来る、という話だけはした。
友洋を好きになったのか?という問いにソッコーで「違う違う」と言ったことや、『弟が一人増えた』と思っていることは内緒にしておこう。
「絶対活躍して遥さんにコクるんだ〜」
動機はともかく、友洋は俄然やる気になったようで、その日の練習にはいつも以上の気合いが入っていた。
遥にはその気がこれっぽっちもないのを知っている俺は、そんな友洋の姿が少し痛々しくも見えたし、同時になぜかとても輝いて見えた。