無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

あまりにも具体的でもっともな説明に、納得させられてしまう。

それでも、あたしの脳裏にはあの幼い頃の祐樹の姿が浮かぶ。



おにごっこして転んで泣いてた祐樹を、おんぶして家まで連れて帰ってあげたこと。

公園で遊ぼうとした祐樹を見て、少し年上の子供たちが「チビは来るな」とか意地悪したから「お前らこそチビだろ！」と乱入し、いじめっ子たちを全員泣かせたこと。



思い返される祐樹はいつも、小さくて、可愛い。



それが、いつの間にあんなに大きく、男らしくなったんだろう…

ピッチを見ると、祐樹はボールを軽く蹴りながら芝の感触を確かめているようだった。

あたしの視線に気付いたのか、祐樹がふとこちらを見上げた。
小さく手を振ると、少しむすっとしてそっぽを向いてしまった。

「あれ〜、教え子君、不機嫌？」

「恥ずかしいんじゃないかな。あたしは祐樹の姉みたいなもんだから」

「ふ〜ん…」