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年上のカノジョ

第6章 雨の中で

それは、雨の夕暮れ。

友洋や宙夢と映画を見ての帰り道。
友洋と宙夢とは家の方向が違うので途中で別れ、一人で歩いていた。

小さな薄暗い公園の横にさしかかったとき、人の気配にふと公園内を見た。


…うわっ…


そこに見えたのは男女の抱き合う姿。ドラマでは見たことがあるけど、生で見るのはなかなかない。
何となく興味をひかれて樹の陰に隠れて様子を見る。

男性が女性の髪を優しく撫でている。
何事か話しかけると、女性がゆっくりと顔を上げた。



「!!」

遥………



そこにいたのは紛れもなくあの遥で。
ただ、その表情は彼氏に抱きしめてもらっているにも関わらず、幸せとはほど遠かった。

むしろ、悲しそうな、切ない目で彼を見上げていた。

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