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年上のカノジョ

第6章 雨の中で

遥…小さいな……

俺の胸にすっぽり収まる遥。こうしてると5つも年上だなんてことを忘れてしまいそうだ。

「遥…吐き出せるもんなら吐き出していいよ…俺、ガキだけど聞くくらいならできるからさ…」

頭を撫でながら言うと、遥は小さく「ありがと…」と言った。

そして、大きく深呼吸をしてから、少しずつ語り出した。

「あたしね…好きな人がいたの…」

「そっか」

「ずっと好きで、付き合ってはいなかったけど…それに近い関係だった…」

「うん…」

『それに近い関係』って何だろう…と俺の頭の中はイケナイ妄想が駆け巡ったけれど、それは黙っていた。

「でもね、彼から『もう別れよう』って言ってきたの…」

「うん…」

「あたしのこと、嫌いになったわけじゃないって言うのにどうして?って聞いたら…」

遥は心を落ち着けるようにして大きく深呼吸した。

「…結婚、してたんだって…」

「………」

俺は何も言えなかった。その代わり、遥をぎゅっとして、頭を撫でてやった。

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