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年上のカノジョ

第7章 動きだすココロ

二人ずつに分かれると、ひかるさんは友洋を引っ張るようにあっちの店、こっちの店、と見て回る。
人が多いせいでなかなかその後を追えない。

まあ、最終的な目的地は中央広場だから、そこに行けばまた会えるだろう。俺たちは友洋たちを追うのをやめた。



「祐樹とお祭り来るの、ホントに久しぶりだね」

「ああ、遥が小学校のとき以来だからな」

あの頃はまだ小さくて、遥に着いて行くのがやっとだった。
でも今は俺のほうが断然背が高くなって、力もついた。



少しは遥を守ってやれるかな……



そう思っていた矢先に遥は向かい側から歩いてきた人にぶつかられた。

「いたっ……」

「って−な、気をつけろ!」

相手はそのまま行ってしまったけれど、こんな人混みをぬって逆走してきてそれはないと思う。

「遥、後ろにいろ」

俺はさりげなく遥の手を取って自分の後ろを歩くように促した。

「あ、ありがと…」

掴んだ手首が折れそうに細くて、俺は遥が女の子なんだということを妙に実感してしまった。

そのまま手首を掴んでいるのが何だか怖くて、「遥、手」と俺は遥に手のひらを向ける。遥はそこにそっと自分の手を重ねた。

遥の手の温もりと、恥じらった表情に高鳴る胸をおさえつつ、俺は人混みの中を歩いた。

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