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年上のカノジョ

第7章 動きだすココロ

「そう思ってくれるといいんだけどな…」

独り言のようにぽつりと呟く遥。
遥には友洋を振った負い目があるのかもしれなかった。

「ま、もう少しほっといてもいいんじゃないかな。連絡もないみたいだし」

「そうだね」

俺は遥の手を引いたまま中央広場の色々な出店をのぞく。
すると店のオジさんが愉快そうに声をかけてくる。

「よっ、彼氏!可愛い彼女に何か買ってかない?今ならおまけもつけちゃうよ!」

遥は否定するかと思いきや、特に否定するふうでもなく苦笑いしている。


嫌じゃないのかな…


ちらちらと遥の横顔を盗み見てみるが、『彼女』と呼ばれてもどうということはない顔をしている。


ま、『彼女』とか『彼氏』ってのは屋台のオジさんの決まり文句だよな…


友達が「姉貴といたのを『彼女』とか言われて全力で否定したし」と言っていたのを思い出した。

そういえば、友洋のほうもそう言われてるんだろうか…

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