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年上のカノジョ

第8章 ひかると友洋

「えっと…オレ、ひかるさんのこと、まだあんまり知らないです」

「…そうだよね、それなのにこんなこと言われても困るよね…」

「だから…」

オレは覚悟を決めて言う。

「もっと知りたい。とりあえず、友達になりませんか?」


うう…緊張する!
ひかるさんから告白されたはずなのに、何かオレのほうが告ったみたいになってるし!


ひかるさんはきょとんとしている。

もしかして、この告白はすごく手の込んだ迫真の演技でオレをからかうつもりだったんじゃないかとさえ思えてきた。

ひかるさん、何か言ってよ…





見つめあうこと数秒。

「……ホント、に?」

ひかるさんが絞り出すように言う。

「…うん」

「ホントのホントに?」

「うん」

そんなに念を押されると照れる。

「うれ…し……っ」

ひかるさんの大きな目から涙がぼろぼろこぼれた。これじゃあオレが泣かせてるみたいだ。

…でも。

ひかるさん、泣くほど喜んでくれてる、って自惚れちゃっていいのかな?

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